小さなお店の屋外看板広告は効果あるのか?

先日、ある小さな洋菓子屋のオーナーから看板広告についての相談を受けました。

看板広告の営業マンが営業に来て、屋外看板へ広告を出稿しないかと言う打診を受けたそうで、効果があるかどうかのご相談でした。

ご本人は出す気満々だったようですが、とりあえず話を聞いてみました。

この小さな洋菓子屋は、うるま市赤道にあります。

サンエー具志川メインシティの正面道路から北に、車で2~3分ほどのところにお店は立地しています。

そのサンエー具志川メインシティのところに立っている屋外看板への広告出稿依頼でした。

最初、メインシティとしか言われなかったので、那覇新都心にあるメインシティと勘違いをしていました。

そこで即却下しました。

わざわざ看板を見て、那覇から足を運ぶ人はいないだろうとの判断です。

でも、よくよく聞いてみると具志川のメインシティ。

確かに近くではあります。

具志川メインシティは集客力のある魅力的なモールですので、そちらの客を呼び込めたらいいかもしれません。

看板広告

看板広告をお客の立場に立って考えよう

結論から言いますと、屋外看板広告を出すことには反対を表明しました。

お店のオーナーにとって、大きなショッピングモールに自分の店の看板が立つ。

これは非常に虚栄心をくすぐりますね。

友達にも自慢が出来るかもしれません。

だからオーナーも乗り気だったんですね。

でもそれでは自己満足の世界。

そこはビジネスなので冷静に考えなければなりません。

ビジネスをやっていると、私たちはついつい、お客の目線を忘れてしまいます。

実際に自分が長年生きてきて、お客をやってきた年数の方が長いはずです。

お客をやってきた中で、屋外看板を見て、お店を探して訪問した経験がどれほどあるでしょうか?

お店の看板を見てお店に飛び込むことは多いかもしれません。

看板がインプットされていて、次にお店の前を通った時に、その看板のお店に訪問することがあるかもしれません。

しかし、それは看板のそばにお店がある場合。

お店から離れた看板を見て、どうしてもそのお店に行きたくなって、お店の場所を探してまで訪問したケースはあるでしょうか?

私自身はほとんど経験がありません。

そのお店がメジャーな、例えば、フランチャイズや全国チェーンのブランド化されたお店なら、そういう行動を起こすかもしれません。

なぜなら、既に味を知っていたり、信頼を置いていたりする為です。

私はうるま市に越して来た時に、ヤマダ電機付近で「ケンタッキーフライドチキン」と「大戸屋」の屋外看板を目にしました。

「ケンタッキーフライドチキンを食べたい。」

そんな衝動にかられた私は付近を捜索しました。

ところが近辺には、これら二つのお店は見当たりません。

そのうち、看板の場所すら忘れてしまい、お店を探すことをやめました。

それから数ヵ月後、10数km先の沖縄市泡瀬でケンタッキーと大戸屋のお店を見つけました。

そのときに屋外看板を思い出しました。

かつて見たあの看板は、泡瀬にあるお店の看板だったことに気がつきました。

その頃にはケンタッキーフライドチキンを食べたい衝動は既に去り、お店に行くことはありませんでした。

ケンタッキーフライドチキンの看板を見たときに、食べたい衝動に駆られたのは、かつて食べた経験があったから。

無名な小さな洋菓子屋がそんな効果を望めるでしょうか?

無名のお店の看板を見て、まだ食べたこともないこのお店の商品を無性に食べたい衝動に駆られるでしょうか?

人に行動を起こさせるには、強烈な衝動が必要になります。

あなたは無名のお店の看板を屋外で見て、わざわざ探してお店を訪問した経験はありますか?

ほとんどそんな経験はないのではないでしょうか?

お客の立場でほとんど経験ないということは、集客効果はほとんどないと考えた方がいいでしょう。

となると屋外広告で費用対効果を得られることは難しいと考えざるを得ません。

看板広告

小さなお店ほどダイレクトレスポンスマーケティングを行うべし

看板広告自体が悪いという話をしているのではありません。

看板広告は小さなお店が手を出すべきではないと言うお話なのです。

看板広告はテレビCMとならび、イメージ広告と言って、その広告の目的は「お店や商品の認知度を上げること」です。

繰り返し看板やCMを見てもらうたびに、お客様へお店や商品の認知が広がります。

「人は繰り返しの情報のインプットにより、その情報を信用するようになる」という心理学的効果から、お店や商品の信頼性を高めるには効果的です。

ただし、信頼性を構築し、ブランド化していくには長い年月が必要です。

小さなお店の場合、イメージ広告を出し続けるだけの資金がないケースがほとんどです。

そうなると認知されブランド化していく前に資金がショートしてしまうなど本末転倒の事態に陥る可能性があります。

その上、イメージ広告の最大の問題点は「効果が計測できない」こと。

「看板を見て来店した」とお客様がわざわざお店に報告をしてくれるわけがありません。

看板広告を出して、いったい月間何人が看板を見て来客したのか?

ちゃんと費用対効果は出ているのか?

こうした効果が計測できない広告費を垂れ流しするほど、小さなお店は資金に余裕があるでしょうか?

広告予算が決まり、その消化の為に広告を出稿する資金の豊富な大企業は、予算の消化に必死で広告の成果測定まで頭が回りません。

そんな大企業のマネをしていてはいけないのです。

大事な広告費をかけるなら必ず成果を測定しなければなりません。

効果が測定できる広告をダイレクトレスポンス広告といい、ダイレクト(直接)にレスポンス(返答)を求める広告のことを言います。

イメージ広告と違い、ダイレクトレスポンス広告の目的は広告を見た人から、直接レスポンスを得ることになります。

ダイレクトレスポンス広告を活用したマーケティング手法をダイレクトレスポンスマーケティングと言い、小予算で最大の広告効果を得られる手法として、特に中小規模の企業や通販会社で用いられている手法です。

つまり、ダイレクトレスポンス広告は必ず広告の効果が測定できます。

小さなお店は、こうしたダイレクトレスポンスマーケティングを取り入れるべきです。

では、ダイレクトレスポンス広告は、どのようにレスポンスを得て、どのように効果を計測しているのでしょうか?

その鍵を握るのが、オファー(魅力的な特典)になります。

ダイレクトレスポンス広告には、必ずオファーを明記しなければなりません。

オファーにはいろいろありますが、例えば「広告を見て来店の方へサンプル無料プレゼント」と広告で告知し、来店者に必ず会員登録などで連絡先を残してもらい、見込み客としてリスト化していきます。

つまり、無料サンプルと引き換えに連絡先を取得する。

すなわち、オファーの目的は、オファーを受け取った方の連絡先を取得し、リスト化することです。

ダイレクトレスポンス広告の効果は、このリスト数で図ることができます。

このリストの方から、どれほどの売上や利益が上がったか、これにより広告の費用対効果を図ることが出来ます。

その上で、採算のあがらない広告はクビにして、採算があがる広告だけを継続する。

小さなお店は、このような広告手段をとることで小予算で最大の効果を得られるようにすべきです。

この洋菓子店も、私の助言でチラシには、最近は必ずスコーンを1個プレゼントというオファーを入れ、リスト取りをスタートしていました。

看板広告に広告費をかけるなら、こうしたダイレクトレスポンス広告にお金をかけるべきだということを進言させて頂きました。

小さなお店がかける広告費の優先順位とは?

顧客にも段階があります。

今回、看板広告で得ようとしたのが「見込み客」

まだ客になるかどうかわからない段階の顧客です。

次に新規客。

初めて来店し、商品購入と言うアクションを起こしてくれた顧客です。

それがリピート客になり、お店や商品の宣伝までしてくれるようになるとファン客になります。

小さなお店は、このリピート客、ファン客を増やすことに資金も労力も使うべきです。

もちろん創業当初は見込み客や新規客の獲得に力を注ぐことでしょうが、この洋菓子店は既にオープンから2年以上が経過し、売上も安定しています。

この段階で、さらに売上をUPしようと新規客の獲得に力を注ごうとするケースが多いのですが、本当に力を注ぐべきは「今来てくれている顧客」の方です。

新規客の売上と同様に、今来てくれている顧客の客単価と来店回数を増やせば売上はUPするのです。

新規客の獲得を継続することは大事ですが、看板広告のようなイメージ広告に経費を使うぐらいなら、「今来てくれている顧客」に再来店を促すような施策をとり、そこに経費をかけるべきです。

それには顧客を見える化。つまりリスト化することが重要です。

顧客をリスト化することで、クーポンやニュースレターの発行で再来店を促せます。

顧客の囲い込み戦略をしっかり行い、リピート客を確保できれば売上は超安定します。

この洋菓子店は、夏が閑散期になるそうです。

お店を空けて顧客が来るのを待つスタイルだと、顧客が来るかどうかは神頼み。

これではビジネスではなく、ギャンブルをやっているようです。

今は何もしていなくても、顧客が来てくれているのでいいけど、顧客が来なくなると、また新規客の確保に躍起になり、経費も余計にかかります。

その閑散期を迎える前に顧客のリスト化を早急に実施し、リストに対し、定期的に情報配信することでリピートを促すことが可能になります。

閑散期にも顧客とコンタクトがとれるという安心感も得ることができます。

こうしたことをお話し、今回の看板広告は見送りになりました。

場末のスナックがつぶれないのは、常連客のおかげ。

小さなお店ほど、リピート客を増やし、常連客、ファン客を増やすことに労力と費用をかけるべきです。

ファン客は口コミを起こしてくれます。

紹介客が紹介客を呼び込んでくる。

そんな好循環を作ることが出来れば、新規客を獲得する為の経費はそれほどかかりません。

そう思えば、「今いる顧客」を大事にして定期的にコンタクトを取りつづける事。

これに勝る戦略はないと思います。

 

※ちなみに沖縄では道端にお店へのナビゲーションのような役割の看板が所狭しと並べられています。

車で走っているとお店まで看板がナビをしてくれるので、便利です。

他府県では恐らく道路への看板の設置は違法行為として取り締まられることでしょうが、沖縄はそのあたりがおおらかなのか、普通にお店の手作り看板が並べられています。

どうせ看板を立てるなら、屋外看板広告より断然コストも安いナビ看板の方が多少は有効かなと思います。

グーグルインドアビューはお店の新集客ツール

グーグルインドアビューは、グーグルストリートビューのインドア版。

ストリートビューは、文字通り、世界中のストリートをバーチャルで巡ることができます。

しかし、建物の中には入ることはできませんでした。

建物の中に入ることができるようになるのが、グーグルインドアビュー。

そうです。お客様がネット上で店舗の中を探索することができるので、グーグルインドアビューはお店の新集客ツールになり得るのです。

グーグルインドアビューで来店を擬似体験

グーグルインドアビューは、お店の中をパノラマ撮影し、360度ぐるりと巡ることができるようになっています。

こちらのサイトでインドアビューがどんなものか体験できます。

インドアビューを導入すると、お客様は来店前に店舗を疑似来店できます。

360度ぐるりと見渡せるので、本当に来店した気になります。

初めてのお店に足を踏み入れるのは多少の勇気がいるものです。

それを事前に体験できるので、お客様のお店に対する敷居が下がります。

これはお店側にとってメリットが大きいでしょう。

こんなサービスを考えるなんて、さすが世界中から人が集まる頭脳集団グーグルです。

ネットで世界中を旅でき、世界中のお店に訪問ができる。

これだけでも夢のような体験を提供しています。

グーグルインドアビューの撮影に立会い

知人のお店にグーグルインドアビューの撮影が入るとのことで、IT担当者として立会いをお願いされました。

そこで立ち会ってきました、グーグルインドアビューの撮影に。

知人のお店は、うるま市赤道にあるオタマビスケット

最初はグーグルのスタッフが東京から駆けつけるのかと思っていました。

実際は違っていました。

グーグルインドアビューの認定パートナーが撮影にやってきたのです。

やってきたのは沖縄県の大企業、株式会社近代美術のスタッフでした。

グーグルインドアビュー

聞けば、グーグルインドアビュー用の特殊なカメラと通常カメラを併用しての撮影だそうです。

店の外から入って、店内をぐるりとめぐるわけですから撮影には途中お客様も訪れての中断も含めて30~40分かかりました。

グーグルインドアビュー

 

グーグルインドアビュー

 

グーグルインドアビュー

 

この店内の様子が、グーグルインドアビューではどのように表示されるか楽しみです。

撮影からグーグルインドアビューがネットに公開されるまで3週間ほどだそうです。

グーグルインドアビューは撮影費用が有料で、ネットへの公開は無料。

撮影料金はお店の規模により異なるそうですので、事前に確認が必要です。

グーグルインドアビューはグーグルマップに掲載され、グーグルの検索にも好影響だと思われます。

広告費と考えたら、撮影料金という一度きりの料金でネットへ永遠に掲載されるわけで、いい集客ツールになり得るのではないかと思います。

お店を経営されている方は、一度調べてみてはいかがでしょうか?

▼グーグルインドアビューの詳細

追記:2015年5月1日
3週間かかると言われていたのに、もうできたようです。
グーグルインドアビュー。

ウチの車が2台も写りこんでいる(^^;)

アップもできてめっちゃリアル。

ホームページやブログでの共有もサイズも自由自在で簡単です~。

会員制ビジネスのアパレル業界におけるモデルとは?

会員制ビジネスは、競争が激化する今の時代において、非常に重要なビジネスモデルとしてこのブログでも何度か記事にして来ました。

▼会員制ビジネスの確立で安定売上を確保する方法

会員制ビジネスとは、顧客を会員としてとらえ、物の流通による売上ではなく、会費売上の確保を目指すもので、毎月の会費がストック収入となり、それが売上の安定につながり、ひいては経営の安定をもたらします。

過去の記事では様々な事例をあげましたが、これまで想像もしてなかった業界でも会員制ビジネスモデルを取り入れる事例が増えて来ています。

会員制ビジネスモデルを取り入れている事例

例えば、アパレル業界。

アパレルで会員制?

あまりピンと来ないかもしれません。

洋服のレンタルという目新しいビジネスモデルで会員制ビジネスが成り立っているのです。

このビジネスモデルはアメリカ発のようですが、日本でも広がりつつあるようです。

ビジネスモデルとしては、ユーザーから月額料金を徴収し、流行の洋服を貸し出しするわけです。

会社によって月額料金は異なりますが、例えば代表的なサービスとしてairCloset(エアークローゼット)を上げてみましょう。

この会社は、月額6800円(税抜き)の会費で毎月、無制限に洋服がレンタルできるそうです。

自分の好みの服を登録しておけば、プロのスタイリストが選んだ洋服が3着ずつ届けられ、無制限に交換可能。

気に入れば買い取りもできるというシステムになっています。

洋服は自分の所有物という概念を持っていると受け入れられないビジネスモデルですが、このビジネスモデルはユーザー側も販売側、メーカー側も得をするモデルではないかと思えます。

検証してみましょう。

会員制ビジネス

会員制ビジネスは三方良しのビジネスモデル

ユーザーにとって、この仕組みはどうでしょう?

流行に敏感な方なら毎月の洋服代に6800円は安いものでしょう。

下手をしたら、それ以上にお金をかけている人も多く存在するに違いありません。

毎月の会費を洋服代として支払って、3着ずつではありますが着せ替え人形のようにスタイリストが選んだ流行の服に身を包むことができる。

これは嬉しいですよね?

自分で服を選ぶのが下手な人、面倒くさい人などにも喜ばれるサービスでしょう。

自分の好みを登録しますが、もしかしたらスタイリストから提案された服は、これまでの自分では選ばなかった服が届く可能性もあるでしょう。

そうなると、新たな発見もでき、ファッションの幅も広がります。

洋服は1シーズン着ると着なくなったり、捨てたり、売ったりすることにもなり、その手間も省けます。

エアークローゼットという名前も絶妙で、まさにバーチャルなクローゼットを持ったようなもの。

洋服のレンタルは、ユーザーにとって、メリットが大きいビジネスモデルだと思います。

次に販売側はどうでしょう?

洋服の販売は、流行り廃りがあり、昨今のファストファッションブームから安売り競争が激しいのが業界の現状でしょう。

販売者は薄利多売の中でヒットを生み出すには大量の在庫というリスクを抱えながら売上の上下が激しい運営を余儀なくされているかと思います。

そんな中で会員制で、「洋服が売れようが売れまいが」会費での売上が見込める為、売上の安定が図れます。

会員制ビジネスは、ストック収入になるので、会員を増やせば増やすほど売上は安定していきます。

安定した売上の確保の中で、あとはレンタルのオペレーションを上手くすることに集中ができます。

洋服の在庫は必要ですが、売れる、売れないに関係なく提案ができるので、売れないストレスはないと思われます。

返却された洋服は再貸し出しや古着として販売したりもできますので、一粒で2度3度美味しいということになります。

メーカーも販売店に安定供給ができるので、山のような返品に悩まされることもなくなるかと思われます。

会員制ビジネスのもうひとつの特徴が、データベースマーケティングが可能になる点です。

これまでもポイントカードの発行などによるPOSシステムにより売れ筋商品や流行などの把握はできたでしょう。

しかし、価値観の多様性により大量生産、大量消費の時代から少量多品種の時代になり、ユーザーニーズの把握に苦戦してきたのがメーカーの現状です。

会員制になると、会員ひとりひとりの傾向が把握でき、個別のニーズが見えてくるため、それに対応した生産が可能となり、売れ残りリスクを減らすことができるようになります。

このように会員制ビジネスはユーザー、販売店、メーカーがWINとなる、近江商人のビジネスポリシーである三方良し(近江商人の場合は売り手、買い手、世間の三方)のビジネスモデルであることが理解できます。

アパレル業界での会員制ビジネスは実現しています。

他の業界でも検討の余地はあると思います。

アメリカでは、大半の成功者が既存のビジネスモデルを改良して大成功をしています。

今回紹介した洋服のレンタル業もアメリカで大きな成功を収め、日本に輸出されています。

私たちは何か目新しいビジネスモデルを求めがちですが、地に足をつけ、既存の古臭いビジネスでも新たなビジネスモデルが成り立たないか検討すべきです。

そのビジネスモデルのひとつとして会員制ビジネスも検討すべきでしょう。